我国の診療制度における日本医師会と自民党政府の癒着構造について

投稿日時:
2024/04/10
00:02
著者:
半呆け老人

 加齢と共に病院と自宅近くの診療所への通院が日課の大半を占める様になった高齢者が激増している。待合室は何時も年寄りで溢れている。

 通院には殆ど予約して行くが、患者は予約時間厳守するも時間通り受診出来る事は皆無で、30分以上遅れるのが普通。時には1時間以上待たされる事もある。

 この生産性のない待時間の腹立たしさの反動で、診療費に対する日頃の疑念が再燃すると共に、特に今年度の診療費値上げ対し違和感を感ずる。

 しかもこれらの背景に日本医師会と自民党との癒着の構造を想像すると腹立たしさが募る。今年度は3割負担で、例えば初診で27円、再診で12円値上げされるそうだが、問題は金額ではなく決定のプロセスである。もっともこの程度の値上げでも国費は約800億円増の由。診療費は公定価格、即ち国が決める。この公定価格は中央社会保険医療協議会(中医協)なるものの諮問に基づき、厚労大臣が決定する。問題なのはこの価格(今回は値上げ)の案は厚労省の役人が起案し中医協で形式的に審議され結果が大臣に諮問され決まっていく様だが、この決定プロセスに日本医師会が強い影響力を持って関与している事だ。ここには選挙で集票力を持つ医師会が、厚労大臣に多額な政治献金をしていることからも、国民より医師有利な価格が決められる事は容易に想像がつく。

 医療費は医療行為毎に健康保険法で決められている点数によって算定される。例えば再診の場合の再診料、血液検査の場合血液採取料、検査結果の判断料等々である。この点数は病院・診療所の売上を左右するが、日本中の全ての病院・診療所に適用される。即ち例えて言えば、八百屋で売られる茄子、トマト、キュウリ等の値段が、野菜の品質とは無関係に日本中で同一価格である様なもので、ここには競争原理が働かない仕組みとなっている。

 点数の設定とこの仕組みは厚労省の管轄であるが、実質的に医師会の意向に左右されていると想像する。

 医師と言う職業に対しても幾つかの課題が浮かぶ。病院の勤務医ではなく診療所経営の医師は、日常の生活行動でも明らかな様に、高い経済力の持主が多い。今回の診療費の値上げの恩恵を受けるのはこれらの医師であり、被害を受けるのは年金生活の高齢者ではないかと思う。我が国での世襲の多い職業は、一般的に代議士、歌舞伎役者、そして医者と言われる様に、医師と言う職業も正に地盤・看板・カバンがあればあるほど有利で安定的な職業である。

 減少人口の中でも医師の需要の元となる高齢者の増加は今後も続くので、この点でも安定的な職業と言える。しかも医師には一旦医師免許が交付されると、本人が免許を返上しない限り永久に医療業務を行う事が出来る。

 安全性が求められる航空機のパイロットは半年毎に技量とメンタル面で格段に厳しい検査を受けると聞いているし、自動車の運転免許更新に当たっても年々厳しい検査が行われるが、同じく命を預かる医師が、歳を取っても何らの検査もないのは問題で、この点も医師会の存在による事が想像される。

 もとより医師は我々の日頃の健康を守り、いざと言う時には命を守ってくれる命綱であり、従って高い倫理感を持っている事が期待され、皆から尊敬される職業だと思う。

 コロナ禍でのテレビの医療従事者の献身的な姿に感銘を受けた記憶、今も能登半島地震でのボランテイア医師の活動にも感謝以外に言うべき言葉がないのも事実である。また身近なところでは日頃お世話になっている先生への感謝の気持ちは不変であるが、そうであるが故に今回の改定には違和感がある。

 確かに医師も霞を食って生きている仙人ではないが、物価高で苦しんでいる老齢の年金生活者の困窮を考えると如何なものかと考える。

 以上は貧乏人の僻み根性と取られかねないが、全て待時間が長いせいでもある。

<div style="text-align: right;">「半呆け老人」</div>